おっさん「スピーチとスカートは……」
言葉は、スカートのようにさらりと垂れ下がる。
柔らかく優雅でありながら、時に大胆。
舌が、一歩一歩、くるくると踊るのに合わせて
物語が語られる。
うねりながら流れる生地のように
生地に触れる空気のように
スピーチは軽やかだ。
でも、風当たりが強くなったら
どこかへ連れていかれてしまうかもしれない。
スカートは短くても長くてもいい。
鮮やかでも、おとなしくてもいい。
スピーチにも、いろいろな奏で方がある。
緩いものから、正統派まで。
スカートが縫われるように
言葉は丁寧に綴られる。
一文字一文字選び
一文字一文字覚える。
そうして麗しい文様が描かれる。
だから私のスピーチも
スカートのように
見とれるほど美しいものであってほしい。
それでこそ私の思いが伝わるから。
ここで終えたいと思います。
なぜか。
スピーチとスカートは身の丈に合わない長さだとすべる危険があるからです。